Updated on 2020/05/12
概要
現時点で最速と言うべきBLDメソッドは 3-style (/Beyer-Hardwick)ですが、このメソッドで習得するべき手順は、 Edgeと Cornerをあわせて818個あります。それに生活を捧げるのは非合理的に感じてかなりイヤなので、より少ないコストでそこそこ速く解ける(かもしれない)メソッドを自分で作ってみました。PP (Parallel Processing) Method と名付けます。
基本的なアイディアは、エッジとコーナーを同時に処理することにあります。バッファをUF/UFRとし、このバッファにあるパーツをコミュテーターのように正しい場所に正しい向きで埋めていき、余ったエッジ(/ごく稀にコーナー)は、Orozco, M2, M法などで片付けます。余りと単純な EO/COについては省略します。
実装
多くの手順は Setup move(s) + LL alg で処理します。例えば、ターゲットが UL/BRU にある場合、以下のような手順でバッファとターゲットにあるパーツを交換することが出来ます。
[F’ U2 F : J-Perm]
1. setup: F’ U2 F
2. PLL alg: R U R’ F’ R U R’ U’ R’ F R2 U’ R’ U’
3. undo setup: F’ U2 F
有り得るターゲットペアの数は、ステッカーで数えて(Edge)*(Corner)=((12–1)*2)*((8–1)*3)=462ペアあります。
PLLに1LLLを8手順追加し、ある程度speed-optimalに解ける解法をv1.0としてGoogle Sheetsで公開しています:
https://docs.google.com/spreadsheets/u/6/d/1aUbgoge1zGSb9fUEkeCWa6aWo1ASrtlrA6yA-XSotmk/edit
また、感の良い方はお気づきかもしれませんが、より多くの1LLL手順を取り入れるほど、より速く解けます。したがって、現在40個近くの1LLL手順を導入したv2.0を開発中です。こちらもそのうち公開します。
Pros
メリットがいくつか期待されます。
- 記憶しやすい
エッジとコーナーが大部分で並行しているため、Person-Action Systemを楽に運用できます。エッジに人物、コーナーに行動を割り振ることで記憶しやすくなるはずです。
2. 既存手順を転用できる(∴習得しやすそう)
ほぼ全てのキューバーが習得しているPLL手順に加え、いくつかのLL手順とセットアップを理解することで、効率よく習得できそうです。
3. 実質的なパリティが発生しない、余りを最初に殺せる
全てをパリティとして処理しようとするような脳筋メソッドですが、基本的にエッジが余ります。余った分(4 Edges程度)はビジュアル記憶で処理できると思います。
Cons
デメリットも沢山あります。
- 手が疲れる
PLLを連発するので右手が爆ぜるかもしれません。
2. 手数が多い(→時間もかかるかも)
1ソルブで普通に200 moves超えるんじゃないかと思います。そのかわりにPLL部分の処理は速いはずなので、やってみなくちゃわからないところです。
3. その場で手順を作れるとは限らない
Setupは簡単そうで実はそうでもないこともあるので、忘れちゃってもその場で作るのは難しい場合があります。忘れちゃったらEdgeとCornerのそれぞれでOrozco algを2つづつ実行するのが良いと思います。
4. 回しすぎてゲシュタルト崩壊するかもしれない
完全に私の個人的な話ですが、回しすぎるとPLLの途中でわけがわからなくなることがあります。気をつけようと思います。Setupも間違えてしまうリスクがありますね。
まとめ
まだ作ったばかりで荒削りも良いところですが、3-styleのコミュテータ手順数が818であるのに対し、PP法は既存LL手順をベースにした462手順(+21 from Orozco Edge)程度に収まります。スピードの観点から言えば3-styleには実行手順数・手数共に敵いませんが、コスパはいいんじゃないかと思います。
かなりのdirty trickで、他の解法との連続性にも欠けるためあまり人にオススメできるものではありませんが、私は開発を進めながらゆっくり実践してみようと思います。目隠しでめちゃくちゃ手を動かしてカッコつけたい人(?)にはワンチャンおすすめできるかもしれませんが…